Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和1年7月 一陸技「無線工学の基礎」A-5

A-5 図1に示す内部抵抗がr[Ω[で起電力が[V]の同一規格の電池Cを、図2に示すように、直列に5個接続したものを並列に6個接続したとき、端子abから得られる最大出力電力の値として、正しいものを下の番号から選べ。

さて、見かけによらず難しい問題...

電圧と抵抗、切り離して考えてみましょう!

まずは、電圧!小学生を思い出してもいいですし、一般的な電気回路を思い出してもいいですが、

直列は足し算、並列は足さない(小学生では長持ちと勉強しますかね...)

ということで、1列ごとに見ると、1列に5個ありますから、

1列の合計の電圧は、

 V+V+V+V+V = 5V

になります。これが6列ありますが、6列とも並列なので全部(合計30個)あわせても、起電力は 5Vになります。

 

次に抵抗ですが、5個直列が6列並列になっています。なので、電圧と同様に

1列の合成抵抗は、

 r+r+r+r+r = 5r

5Rが6列の並列なので、並列の合成抵抗r_{all}を求めましょう。

 \dfrac {1}{r_{all}} = \dfrac {1}{r}+  \dfrac {1}{r}+ \dfrac {1}{r}+ \dfrac {1}{r}+ \dfrac {1}{r}+  \dfrac {1}{r}

 r_{all} = \dfrac {5}{6}r

となります。

ここで登場!外部抵抗くん!

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(写真でかくなりすぎました!助けえt!しかも、勢い余って大文字になってしまいました)

今回、問題としては最大出力電力を求めたい、つまりは消費電力を求めたいわけです。

さらに言えば、電力を消費する相手が必要なわけです。なので、外部抵抗を電池に接続します。

このとき、外部抵抗は電池の内部抵抗と等しいときに、消費電力が最大になります。

あとは、外部抵抗(抵抗は \dfrac {5}{6}r)で消費電力を求めればいいのですが、

このとき、外部抵抗と内部抵抗の値は等しく直列接続なので、電圧も半分こされるはずです。つまり、外部抵抗にかかる電圧は \dfrac {5}{2}Vですから、

外部抵抗で消費される電力は、

 \dfrac {\left(\dfrac {5}{2}V \right)^{2}}{\dfrac {5}{6}r}=\dfrac{15V^2}{2r}

 

答えは、1です(イエーイ!)