A-6 図に示すように、交流電圧V=100(V)に誘導性負荷Z1及びZ2[Ω]を接続したとき、回路全体の皮相電力及び力率の値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、Z1及びZ2の有効電力及び力率は表の値とする。
こういうの、苦手なんですよね~
定番問題らしいですが....
さて、まずこちらの問題ですが、この公式がものを言います。
有効電力 = 皮相電力 × 力率
皮相電力とは...
交流回路における見かけの電力。交流電圧の実効値と交流電流の実効値の積。交流回路に電流が流れると、電気のエネルギーは、抵抗成分(おもに抵抗器)では熱となって消費される。これに対して、リアクター(リアクタンスを生じるもので、リアクトルともいう。コイルやコンデンサー)のなかでは、それぞれ電気エネルギーおよび磁気エネルギーの形で一時蓄えられてから、電源に送り返される現象を繰り返す。したがって、交流回路の場合には、端子に加わる電圧と回路に流れ込む電流の積で表される量は、回路のなかで消費される正味の電力ではなく、見かけの電力を示すにすぎない。これを皮相電力とよんでいる。皮相電力と電力を区別するために、電力を有効電力とよぶこともある。これに対し、リアクター中で蓄積、放出を繰り返し電源と負荷の間を行ったり来たりして消費されない電力を無効電力とよんでいる。交流発電機、変圧器などの使用限度は、機器の内部の巻線を流れる電流の強さで決まるため、これらの機器の定格は皮相電力で表す。1ボルトの電圧が加わっているとき、1アンペアの電流が流れているときの皮相電力を1ボルトアンペア(VA)と決めてある。記号はS。
皮相電力は無効電力と有効電力のベクトル和でもあります。
さて、問題に戻りますが
まず、Z1から考えていきましょう!
先ほどの公式より、
ですので、になります。
ここで、先ほど求めたを実部と虚部に分けましょう。今回は、誘導性ですので、第4事象に記載することになります。(お決まりとして割り切ってしまうと気持ちはラクです...)
詳しくは、こちらがよろしいかと...
まず、に力率を掛けたものを実数軸に記載します。次に、j軸ですが、直角三角形の場合、斜辺が10, 底辺が8であれば、3:4:5が成り立ちますので、j軸にはが来ます。(第4事象なので、6.0 Aは下向きです)
同様に、Z2を考えます。
ですので、になります。
今度は、力率が0.6ですから、Z2の実数軸には、これまた3:4:5が成立するので、j軸にはが来ます。
あとは、回路全体といわれていますから、足し合わせていきましょう!
...といっても、座標軸上で, です。
さあ、実数軸が、j軸もですので回路全体の電流はになります。
なので、皮相電力は
また、図より二等辺三角形ですから、力率は
答えは、5です!(イエーイ!)
ちなみに、力率はですから、1より上はあり得ないです。1より上があったら、その時点で選択肢から外れますね...