A-7 次の記述は、図に示す直列共振回路について述べたものである。⬜︎内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、交流電圧V[V]の角周波数をω[rad/s]、回路に流れる電流をI[A]、回路の共振角周波数をω0[rad/s]とする。
この手の問題、コンデンサやコイルの感覚を掴めているか…ですね。
大きく分けて、2つを抑えておきましょう!
① コンデンサやコイルの位相について
・コンデンサは位相が進みます
電圧がピーク(満充電)のときに電流が0になり、放電し始めると電流が流れ出します。このとき、電圧は低下しているので、電流がピーク(放電中)のときに電圧が0になります。(あくまでも簡単なイメージですが…)
・コイルは位相が遅れます。
コイルは圧倒的な保守派なため、電圧に対して、それを打ち消すように電流を流します。
例えば、電圧が正のピークのとき、電圧の時間変化はありませんので、電流は0です。しかし、ここから電圧が減少していくと、現状維持しようと電流を正の方向へ増加させていきます。一方で、電圧が負のピークから増加していく場合、電流は電圧を増加させまいと減少していく訳です。
圧倒的保守派なコイルは、電圧の変動があったら、それに反対して動きますので、対応が遅れます!
すなわち、コイルは位相が遅れるのです(コンデンサはその逆で位相が進む)
詳しくはこちら…
そして、次の項目は
②コンデンサとコイルの周波数特性について
・コンデンサは高周波が通りやすい
コンデンサは充放電を繰り返すので、電流の向きが行ったり来たりします。行ったり来たりすることで、金属板に挟まれた誘電体に電流が流れます(変位電流)。
なので、行ったり来たりしない直流なんかだと、コンデンサは高い抵抗物になり、電流を中々通しません。
・コイルは低周波が通りやすい
圧倒的保守派なコイルは、低周波のようにゆっくり振幅が変化するものに対しては、その変化に気づかず、反対に動きません。その代わり、高周波は時間的にもめちゃくちゃ振幅が変化していますので、その変化に反対して、めちゃくちゃ抵抗が高くなります。
詳しくはこちら…
さあ、前置きが長くなりましたが…
まずAについて
< のとき、単純には低周波と見なせます。
このとき、コンデンサとコイルどちらの方が抵抗が大きいかと言うと、低周波を通しにくいコンデンサです。
今回は、直列回路ですので、抵抗が大きければ電圧も大きくなります。すなわち、
はよりも小さいです。
次はB!
これは基準のに対してですから、ですね。
次はC!
>のとき、は高周波となります。
Aとは逆でコイルの抵抗成分が大きくなりますので、もコイルの影響が支配的になります。(直列なので)
なので、位相はというと、支配的なコイルで考えればいいですから、遅れるが正解となります。
なので、答えは1です!(イェーイ)
詳しくはこちら…(並列回路についても記載有です)