Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和1年7月 一陸技「無線工学の基礎」B-4

B-4 次の記述は、図に示すターマン発振回路の発振条件について述べたものである。▭に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、増幅回路は、入力抵抗及び出力抵抗を無限大及び0(零)とし、入出力間に位相差はないものとする。また、角周波数をω[rad/s]とする。

如何にも、難しそうな問題... 意地悪っすよね~

では、アから

まず、Z_{s}Z_{p}は直列の関係と見なせます。そのため、電圧は抵抗に比例します。また、V_{2}Z_{s}Z_{p}にかかり、V_{3}Z_{p}のみにかかっていますから、

\beta=\dfrac{V_{3}}{V_{2}}=\dfrac{Z_{p}}{Z_{s}+Z_{p}}

なので、アの答えは、6になります!

また、直列インピーダンスの場合、

Z_{s}=R+\dfrac{1}{j\omega C}

並列インピーダンスの場合、

Z_{p}=\dfrac{R\times\dfrac{1}{j\omega C}}{R+\dfrac{1}{j\omega C}}=\dfrac{R}{1+j\omega CR}

なので、先ほどの式は

\beta=\dfrac{\dfrac{R}{1+j\omega CR}}{R+\dfrac{1}{j\omega C}+\dfrac{R}{1+j\omega CR}}

になります。分子分母に\dfrac{1+j\omega CR}{R}なんかを掛けてあげて、いろいろ計算すると

\beta=\dfrac{1}{3+j\left(\omega CR-\dfrac{1}{\omega CR}\right)}

イの答えは、7です!

問題より、\betaは実数とありますから、虚部を0にしなくてはなりません。

すなわち、

\omega CR=\dfrac{1}{\omega CR}

より、

\omega=\dfrac{1}{CR}

ここで、周波数 f2\pi\omegaですから、

f=\dfrac{1}{2\pi CR}

よって、ウは3になります!

 

また、発振条件として A_v\beta=1があります。先ほどのように \betaが実数であれば、 \beta\frac{1}{3}ですから、 A_vは3になります。

エは4が答えです!

 

また、周波数はCとRに反比例します。CとRが小さければ高周波となりますが、Cを小さくしすぎると回路本来の静電容量の影響を受け、あまり小さくできません。またRもkΩと大きい場合が多いので、CR発振器は低周波用と言えます。

なので、オは10が正解です!