Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和1年7月 一陸技「無線工学の基礎」A-13

A-13 次の記述は、図1に示す電界効果トランジスタ(FET)を用いたドレイン接地増幅回路の出力インピーダンス(端子cdから見たインピーダンス)Zo[Ω]を求める過程について述べたものである。⬜︎内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、FETの
等価回路を図2とし、また、Zoは抵抗Rs[Ω]を含むものとする。
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厄介な問題ですね〜

正攻法ではないですが、なるべく簡単に解いてみましょう!

それには、相互コンダクタンスが何かを知っておく必要があります。単位はシーメンス[S]で1/Ωの次元を持ちます。

すなわち、電圧に相互コンダクタンスを掛け合わせれば、電流が求まります。電圧を電流に変換する係数のようなものです。

さて、Aですが注目すべきは単位です。

Aには2種類の回答がありますが、結果として[A:アンペア]の単位にしなくてはなりません。

1つ目、 g_mV_iですが単位のみの計算をすると

 \frac{1}{[\Omega]} \times [V] = \frac{[V]}{[\Omega]} = [A]

綺麗に[A]になりました。

一方で、2つ目の \left(1+g_m\right)V_i

 \left(1+\frac{1}{[\Omega]}\right) \times [V] = [V] +\frac{[V]}{[\Omega]} =[V] + [A]

と単位として[V]が残ってしまうので、間違いです。

 

次にBですが、これも単位に着目します。

両辺に[V]がありますから、Bに入るものは無次元でないといけません。

ここで、 \frac{g_m}{1+g_mR_s}の単位は

 \frac{\frac{1}{[\Omega]}}{1+\frac{1}{[\Omega]}\times [\Omega]}=\frac{1}{[\Omega]}

で、単位が残ってしまうので間違いです。

 

最後にCですが、[Ω]になるようなものを探します。

 \frac{R_s}{1+g_mR_s}は、

\frac{[\Omega]}{1+\frac{1}{[\Omega]}\times [\Omega]}=[\Omega]

ですので正解になります。

 

答えは1です(イェーイ)