Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和2年1月 一陸技「無線工学の基礎」A-4

A-4 図1に示す静電容量C[F]の平行平板空気コンデンサの電極板間の間隔r[m]を、2に示すようにd0[m]広げ、そこに厚さd[m]の誘電体を片方の電極板Pに接しても静電容量はC[F]で変わらなかった。このときの誘電体の誘電率ε[F/m]を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、空気の誘電率をε0[F/m]、誘電体の面積は電極板の面積S[m^2]に等しいものとする。

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コンデンサ大好き問題ですこと…

では、静電容量C [F]についてですが、電気の貯めやすさ表す物理量で、

 C=\epsilon_0\frac{S}{r}

になります。面積が大きければ貯めやすいですし、距離が離れれば貯めにくいということです。

さて、問題の図1の方の静電容量は上式のように表せます。

図2の方は、誘電率の違いから2つのコンデンサが直列接続されたようになっています。静電容量の合成は、直列であれば

 \frac{1}{C} =\frac{1}{C_0}+\frac{1}{C_1}

の関係にあります。ここで、 \epsilon_0の方を C_0とし、\epsilonの方をC_1とすれば

 \frac{1}{C} =\frac{1}{\epsilon_0\frac{S}{r+d_0-d}}+\frac{1}{\epsilon\frac{S}{d}}

ここでこの式のCと図1のCが等しいということですから

\frac{1}{\epsilon_0\frac{S}{r}} =\frac{1}{\epsilon_0\frac{S}{r+d_0-d}}+\frac{1}{\epsilon\frac{S}{d}}

これを色々計算すれば

\epsilon=\frac{\epsilon_0d}{d-d_0}

答えは2です(イェーイ)