Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和2年11月1回目 一陸技「無線工学A」A-7

A-7 FM(F3E)受信機において、雑音指数が6[dB]、等価雑音帯域幅が16[kHz]及び周囲温度Tが290[K]のときの限界受信レベル(スレッショルドレベル)の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、雑音は受信機内部雑音のみとし、ボルツマン定数をk[J/K]、周囲温度をT[K]としたときのkTの値を―204[dBW/Hz]とする。また、スレッショルドは搬送波の尖頭電圧と雑音の尖頭電圧が等しくなる点であり、それぞれの実効値をEc及びENとするとEc/EN=4/√2であり、1[mW]を0[dBm]、1og102 =0.3とする。

めんどくせ~

 

まず、搬送波と雑音の電圧比が分かっていますので、そこから電力比を求めます。電力比は電圧比の2乗ですから、

C/N=(E_C / E_N)^2=(4 / \sqrt 2)^2=8

ここで、雑音の電力N

N=kTBF

で表されます。ここで、Bは等価雑音帯域幅Fは雑音指数です。熱に起因する雑音電力kTBに雑音指数Fの増加分を加味したものです。

logに気を付けて計算すれば、

N_{dB}=10\log_{10}kTBF=10\log_{10}kT+10\log_{10}B+10\log_{10}F

=-204+10\log_{10}(16\times 10^3)+6=-204+12+30+6

=-156 dBW

そのため、搬送波の電力C

C_{dB}=10\log_{10}8N=10\log_{10}8-156=-147 dBW

ここで、答えは4と思いきや、単位が異なりますので変換が必要です。

dBWからdBmへの変換は30足せば(線形表示ではWとmWで1000倍異なるので)いいので、答えは、-117 dBmになります。

 

答えは2です!(イエーイ)