Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和2年11月1回目 一陸技「無線工学A」A-10

A-10 次の記述は、レーダーに用いられるパルス圧縮技術の原理について述べたものである。⬜︎内に入れるべき宇句の正しい組合せを下の番号から選べ。なお、同じ記号の内には、同じ字句が入るものとする。

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イメージがつけば??

 

チャープ方式のパルス圧縮について、詳しくはこちらです…

nippon.zaidan.info

 

一般的に、距離分解能を向上させたい場合はパルス幅を狭くする必要があります。しかし、パルス幅を狭くした場合、平均電力が低下するため探知できる距離が短くなります。

これを解決しようとしたものが、チャープ方式のパルス圧縮です。変調した長いパルスを用いることで、平均電力を保ち、受信時にはパルス圧縮して距離分解能をも保とうとする技術です。

 

A

受信時には、パルス幅を狭くする必要があります。送信時にはフィルタによって\Delta f広げたので、受信時には変調波を\frac{1}{\Delta f}に圧縮します。

なので、送信時と逆の特性を持ったフィルタを使用します。

 

B

圧縮された分、ピークが立たなければいけませんから、\Delta fに比例するはずです。

\sqrt{T \Delta f}が正解です。

 

CとD

レーダの場合、以下のトレードオフの関係があります。

最大探知距離を向上→電力確保のため、パルス幅を広げる→距離分解能の低下

距離分解能を向上→パルス幅を狭める→最大探知距離の低下

 

答えは5です!(イェーイ)