Penguin-AppliedPhysicsのブログ

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令和1年7月 一陸技「無線工学B」A-5

A-5 次の記述は、図に示すように、バラボラアンテナを用いてマイクロ波無給電中継を行う場合の送受信点間の伝搬損失について述べたものである。⬜︎内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、各アンテナにおける給電系の損失は無視できるものとする。なお、同じ記号の⬜︎内には、同じ字句が入るものとする。

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直感的に解けます〜

 

A

利得を簡単に言えば、アンテナからどれだけ電磁波を放射しやすいか、または受け取りやすいかを表した値です。

利得が大きければ、それだけ効率よく放射や受信ができるので、損失が小さくなります。

そのため、送信アンテナから放射された電磁波の受信有効電力P_1はそれぞれのアンテナの利得に比例するはずですし、自由空間伝搬損失\Gamma_1に反比例するはずです。
P_1=\frac{G_tG_1}{\Gamma_1}P_t

 

B

給電系の損失は無視とのことなので、受け取った電力がそのまま送信される電力になります。なので、

P_2=P_1

 

C

P_rP_1と同様に

P_r=\frac{G_2G_r}{\Gamma_2}P_2
=\frac{G_2G_r}{\Gamma_2}P_1=\frac{G_2G_r}{\Gamma_2}\frac{G_tG_1}{\Gamma_1}P_t

ここで、問題より

L_1=\frac{\Gamma_1}{G_tG_1}
L_2=\frac{\Gamma_2}{G_2G_r}

これらより

\frac{P_t}{P_r}=\frac{\Gamma_2}{G_2G_r}\frac{\Gamma_1}{G_tG_1}=L_2L_1

 

D

損失なので、自由空間伝搬損失に比例し、利得に反比例します。

\Gamma=\frac{\Gamma_1\Gamma_2}{G_1G_2}

です。

 

答えは1です!(イェーイ)