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令和2年11月2回目 一陸技「無線工学B」B-2

 B-2 次の記述は、図に示す方形導波管について述べたものである。▭内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、自由空間における電波の波長をλ[m]、速度をc[m/s]とする。

暗記です。

 

TE_{mn}の遮断波長\lambda_c

\lambda_c=\frac{2}{\sqrt{(\frac{m}{a})^2+(\frac{n}{b})^2}}

です。

導出の詳しくは、下記参照ですが、非常に難しく長いのでイの答えを覚えたほうが早いです。

答えは6です。

slidesplayer.net

 

こちらを覚えるべきです。

TE10の場合、導波管の長辺寸法aにより伝送される電波の周波数は左右されます。このとき、導波管の寸法aが波長の半分以下では電波は進行しません。

すなわち、遮断波長は2aです。

答えは2です。

これが分かれば、m=1, n=0を代入した値が2aになるものがアの答えになります。

 

導波管内は自由空間と伝搬モードが違う(TEM,平面波でない)ため、波長も同じ定義にはできません。そこで、管内波長\lambda_gという値を定義しています。

\lambda_g=\frac{\lambda}{\sqrt{1-(\frac{\lambda}{\lambda_c})^2}}

です。

TE10の場合、\lambda_c=2aなので、

答えは8になります。

 

位相速度は、導波管の中での位相の進む見かけ上の速度です。

v_p=f\lambda_g=\frac{c}{\sqrt{1-(\frac{\lambda}{\lambda_c})^2}}=\frac{c}{\sqrt{1-(\frac{\lambda}{2a})^2}}

群速度は、エネルギーが管内の軸方向に伝搬する速度です。

v_g=c\cos\theta=c\sqrt{1-(\frac{\lambda}{\lambda_c})^2}=c\sqrt{1-(\frac{\lambda}{2a})^2}

ここで、2a\ge\lambdaなので、

\sqrt{1-(\frac{\lambda}{2a})^2}\le1

です。すなわち、位相速度の方が速いです。

答えは4です。

 

エより

v_pv_g=\frac{c}{\sqrt{1-(\frac{\lambda}{2a})^2}}\times c\sqrt{1-(\frac{\lambda}{2a})^2}=c^2

答えは10です。