Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和3年1月2回目 一陸技「無線工学の基礎」A-11

A-11 次の記述は、図に示す図記号の電界効果トランジスタ(FET)について述べたものである。誤っているものを下の番号から選べ。

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見たまんま

 

誤りは4です。

真ん中の縦線が3つに分かれているので、エンハンスメント型です。

詳しくはこちら…

https://detail-infomation.com/transistor-type/

 

答えは4です!(イェーイ)

令和3年1月2回目 一陸技「無線工学の基礎」A-10

A-10 次の記述は、理想的なダイオードD及び2[kΩ]の抵抗Rを組み合わせた回路の電圧電流特性について述べたものである。⬜︎内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、回路に加える直流電圧及び電流をそれぞれV及びIとする。

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みたことある〜

 

同じ問題はこちら…

https://penguin-appliedphysics.hatenablog.com/entry/2023/10/31/224806

 

ダイオードは、一方方向に電流を流します。

つまり、図でいう右から左に電流は流れません。

 

ということで、図1から見ていきましょう。

図1は抵抗とダイオードが直列ですね。電流は右に正の向きです。

電圧がマイナスになれば、ダイオードが邪魔して動作しません。

なので、イが該当します。

 

次に、図2ですが、

電圧がマイナスの時、下側(抵抗とダイオードが直列になっている方)はダイオードが邪魔して電流は流れません。そのため、上側(抵抗単体の方)だけに電流が流れます。

一方で、電圧がプラスになると、電流は上下の線路に流れることができます。ここで合成抵抗を考えると、 Rが2個の並列回路ですので、 \dfrac {R}{2}になります。

抵抗が小さくなった分、電流は流れやすくなりますから、傾きが急なエが該当します!

 

最後に、図3です!

電圧がマイナスの時は、図2と同様です。

一方で、電圧がプラスになると、電流は抵抗よりも流れやすいダイオードに流れてしまいます。理想的なダイオードですから、抵抗成分はなくただの導電路です。

すなわちこれは、短絡(ショート)の状態です。

なので、電流がいくら増えようとも抵抗成分ゼロなので、電圧は増加しません。なので、アが該当します。

 

答えは、4です!(イエーイ)

 

 

令和3年1月2回目 一陸技「無線工学の基礎」A-9

A-9 図に示すように、断面積が[m3]、長さがl[m]、電子密度がσ[個/m3]、電子の移動度がμn[m2/(V•s)]のN形半導体に、V[V]の直流電圧を加えたときに流れる電流I[A]を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、電流は電子によってのみ流れるものとし、電子の電荷の大きさをq[C]とする。

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見たことある〜

 

類似問題はこちら…

https://penguin-appliedphysics.hatenablog.com/entry/2023/11/08/214419

 

数式を用いないで説明すると2択までは絞れます。

まず、大きくなれば電流が流れやすくなるパラメータとその逆の大きくなれば電流が流れにくくなるパラメータを探します。

基本的には、面積Sが大きくなれば道が広くなり電流は流れやすくなりますし、電子の移動度\mu_0が増えれば、活発になりますから電流は増えます。電子密度\sigmaが増えれば電子数が増えることになりますので、電流は増えます。また、言わずもがな電圧 Vが大きくなれば、オームの法則などを考えても、電流は増えます。また、そもそもで、電流とは単位時間あたりに流れる総電荷になります。あんおで、1個あたりの電子の電荷qが大きくなれば、電流は増えます。

逆に、半導体が長くなれば、抵抗が増えるようなものなので、電流は小さくなります。

すなわち、長さlだけが分母にあるものを探せばよいです。

つまり、答えは4か5

ここで、4と5の単位をそれぞれ計算します。

4は、

\frac{m^2 \cdot m^2/(V \cdot s) \cdot /m^3 \cdot C \cdot V^2}{m}= \frac{CV}{s}

5は、

\frac{m^2 \cdot m^2/(V \cdot s) \cdot /m^3 \cdot C \cdot V}{m}= \frac{C}{s}

先ほども言ったように、電流は電流とは単位時間[t]あたりに流れる総電荷[C]です。

オームの法則的にも電圧の二乗は考えられませんね…

 

正解は5です!(イェーイ)

令和3年1月2回目 一陸技「無線工学の基礎」A-8

A-8 図に示す四端子回路網において、各定数A、B、C、Dの値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、各定数と電圧電流の関係式は、次に示したとおりとする。

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これも定番

 

類似問題はこちらです。

https://penguin-appliedphysics.hatenablog.com/entry/2023/10/31/204934

 

基本的には、問題文中にある

 V_1 = AV_2 + BI_2
 I_1 = CV_2 + DI_2

を使って解いていくのですが、

まず、 V_2を開放(オープン)させましょう!

ん!?という感じですが、開放はイメージとして導電路を取っ払って空気と接続させちゃうようなもんです。まさに開放って感じなのですが、この状態は非常に電流が流れにくいです。

なぜなら導電路取っ払ってるので、むしろ電流は流れないし、抵抗は無限に大きいようなものです。

つまり、 V_1が開放であれば、そこに流れ込んでいる I_2 0になります。

さあ、 I_2 0であれば、最初の上の式は

 V_1 = AV_2

ですので、

 A = \frac{V_1}{V_2}

になります。

ここで、改めて問題中の図を見直すと V_1 V_2は次のように表せます。

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(電車内で書いたのでガタガタです…)

ここで、直列ですので同じ電流値が抵抗とコイルに流れます。つまり、電圧の比が抵抗値の比になる訳です。

 V_1 = \left ( jX_L + R\right) \times I_1
 V_2 = R \times I_1

コイルと抵抗の合成抵抗は、直列であれば足し算です。

すなわち、

A = \frac{V_1}{V_2} =\frac{jX_L + R}{R} =\frac{j60 + 30}{30} = 1 + j2

になります。

 

また、最初の式の下の方は、 I_2 0であれば

 I_1 = CV_2

 C = \frac{I_1}{V_2} = \frac{I_1}{R \times I_1} = \frac{1}{R} = \frac{1}{30} 

になります。

 

次に、 V_2を短絡(ショート)させましょう!

短絡は開放の逆で、めちゃくちゃ電流が通りやすい導電路を追加したようなイメージです。なので、抵抗成分は 0のようなものですから、電圧は掛かりません。

つまり、 V_2 0になります!

ここで、 V_2 0であれば Rに掛かる電圧も 0になりますので、電流が流れません。

つまり、電流は分岐しないので

 I_1 = I_2

になります。

先ほどと同様に V_2 0であれば、

 V_1 = BI_2
 B =\frac{V_1}{I_2}=\frac{jX_L\times I_1}{I_1}=jX_L=j60

ここで、先ほどとは異なり、 V_1はコイルのみに掛かります。抵抗には電圧 0なので。

さあ、最後に最初の式の下の方ですが、V_2 0ならば

 I_1 = DI_2

もうお分かりの通り、

 D = 1

です。

 

答えは、2です!(いえーい)

令和3年1月2回目 一陸技「無線工学の基礎」A-7

A-7 次の記述は、図に示す直列共振回路とその周波数特性について述べたものである。内に入れるべき値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、交流電圧Vを20[V]、共振周波数を100/π[kHz]とする。

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計算

 

A

せん鋭度は以下のように求まります。

Q=\frac{\omega_0 L}{R}=\frac{1}{\omega_0 CR}=\frac{1}{2\pi f_0 CR}
=\frac{1}{2\pi 100/\pi \times 10^3\times 0.01\times 10^{-6}\times 10}=50

B

せん鋭度は

Q=\frac{f_0}{\Delta f}

でもありますから

\Delta f=\frac{f_0}{Q}=\frac{100/\pi \times 10^3}{50}=2/\pi [kHz]

 

C

共振時の電流は

I_0=\frac{V}{R}=\frac{20}{10}=2

よって、f_1の際の電力は

(\frac{I_0}{\sqrt{2}})^2R=20

 

答えは3です!(イェーイ)

令和3年1月2回目 一陸技「無線工学の基礎」A-6

A-6 図に示す回路において、負荷抵抗r[Ω]の値を変えてRで消費する電力Pの値を最大にした。このときのPの値として、正しいものを下の番号から選べ。

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難しそう〜

 

ノートンの定理を使います。とはいっても、Rに流れる電流と内部抵抗を求めるだけです。

内部抵抗とRが等しければ、消費電力は最大になります。

さて、Rに流れる電流ですが、

I=\frac{V_1}{R_1}+\frac{V_2}{R_2}=\frac{18}{3}+\frac{12}{6}=8

ここで、内部抵抗とRが等しいので電流は半分こになります。

内部抵抗は

R=\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}=2

よって、電力は

P=(I/2)^2R=4^2\times 2=32

 

答えは4です!(イェーイ)

令和3年1月2回目 一陸技「無線工学の基礎」A-5

A-5 図に示すようにR[Ω]の抵抗が接続されている回路において、端子ab間から見た合成抵抗Rab[Ω]を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。

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工夫します。

 

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このように真ん中のRを2Rの並列として等価変換します。そうすると左右対象になります。

左半分は、2RとRの直列にRが並列され、さらにRが直列になっています。そのため、

\frac{(2R+R)R}{2R+R+R}+R=\frac{3}{4}R+R=\frac{7}{4}R

これが左右対象に並列接続されているので、合成抵抗は半分になります。

さらに図1の左上にはRが直列になっているので

\frac{7}{8}R+R=\frac{15}{8}R

 

答えは4です!(イェーイ)