Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和3年1月2回目 一陸技「無線工学の基礎」A-8

A-8 図に示す四端子回路網において、各定数A、B、C、Dの値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、各定数と電圧電流の関係式は、次に示したとおりとする。

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これも定番

 

類似問題はこちらです。

https://penguin-appliedphysics.hatenablog.com/entry/2023/10/31/204934

 

基本的には、問題文中にある

 V_1 = AV_2 + BI_2
 I_1 = CV_2 + DI_2

を使って解いていくのですが、

まず、 V_2を開放(オープン)させましょう!

ん!?という感じですが、開放はイメージとして導電路を取っ払って空気と接続させちゃうようなもんです。まさに開放って感じなのですが、この状態は非常に電流が流れにくいです。

なぜなら導電路取っ払ってるので、むしろ電流は流れないし、抵抗は無限に大きいようなものです。

つまり、 V_1が開放であれば、そこに流れ込んでいる I_2 0になります。

さあ、 I_2 0であれば、最初の上の式は

 V_1 = AV_2

ですので、

 A = \frac{V_1}{V_2}

になります。

ここで、改めて問題中の図を見直すと V_1 V_2は次のように表せます。

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(電車内で書いたのでガタガタです…)

ここで、直列ですので同じ電流値が抵抗とコイルに流れます。つまり、電圧の比が抵抗値の比になる訳です。

 V_1 = \left ( jX_L + R\right) \times I_1
 V_2 = R \times I_1

コイルと抵抗の合成抵抗は、直列であれば足し算です。

すなわち、

A = \frac{V_1}{V_2} =\frac{jX_L + R}{R} =\frac{j60 + 30}{30} = 1 + j2

になります。

 

また、最初の式の下の方は、 I_2 0であれば

 I_1 = CV_2

 C = \frac{I_1}{V_2} = \frac{I_1}{R \times I_1} = \frac{1}{R} = \frac{1}{30} 

になります。

 

次に、 V_2を短絡(ショート)させましょう!

短絡は開放の逆で、めちゃくちゃ電流が通りやすい導電路を追加したようなイメージです。なので、抵抗成分は 0のようなものですから、電圧は掛かりません。

つまり、 V_2 0になります!

ここで、 V_2 0であれば Rに掛かる電圧も 0になりますので、電流が流れません。

つまり、電流は分岐しないので

 I_1 = I_2

になります。

先ほどと同様に V_2 0であれば、

 V_1 = BI_2
 B =\frac{V_1}{I_2}=\frac{jX_L\times I_1}{I_1}=jX_L=j60

ここで、先ほどとは異なり、 V_1はコイルのみに掛かります。抵抗には電圧 0なので。

さあ、最後に最初の式の下の方ですが、V_2 0ならば

 I_1 = DI_2

もうお分かりの通り、

 D = 1

です。

 

答えは、2です!(いえーい)