Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和2年11月1回目 一陸技「無線工学A」A-5

A-5 図に示すAM(A3E)受信機の復調部に用いられる包絡線検波器に振幅変調波 ei=E(1+mcospt)cosωtを加えたとき、検波効率が最も良く、かつ、復調出力電圧eo[V]に斜めクリッピングによるひずみの影響を低減するための条件式の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、振幅変調波の振幅をE[V]、変調度をm×100[%]、搬送波及び変調信号の角周波数をそれぞれω[rad/s]及びp[rad/s]とし、ダイオードDの順方向抵抗をrd[Ω]とする。また、抵抗をR[Ω]、コンデンサの静電容量をC[F]とする。

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ぐぬぬ

 

さて、まずR, r_dどっちが大きければいいんだいって話なのですが、

復調出力電圧が大きくなる方が正解です。

e_oRのみに掛かってますから、Rが大きい方がいいのです。

 

この包括線検波器についてはこちらを参照ください。

http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/H14/html/H1408A15_.html

 

簡単に言えば、めちゃくちゃ早い信号波に対して、ピークとピークを繋ぎ、大きなゆっくりとした波を検波しようね〜といったものになります。

なので、R,Cが使われるLPF(ローパスフィルタ)になっているわけです。

LPFの遮断周波数は\frac{1}{2\pi RC}でした。

ここで、問題文を読み返すと、搬送波の角周波数は\omegaで、信号波の角周波数はpです。

当然ながら、フィルタに通してゲットしたいのは、信号波の方ですから、信号波が低周波側にいないと困るわけです。

つまり、

\frac{\omega}{2\pi}\gg \frac{1}{2\pi RC}\gg \frac{p}{2\pi}

の関係が成り立ちます。(角周波数は周波数÷2\pi

よって

\frac{1}{\omega}\ll RC\ll \frac{1}{p}

 

答えは5です!(イェーイ)