Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和1年7月 一陸技「無線工学A」A-6

A-6 e = A(1+m sin pt)sin ωt[V]で表される振幅変潮(A3E)波電圧を二乗検波器に入力したとき、出力の検波電流中に含まれる信号波の第二高調波成分によるひずみ率の値が15[%]であった。eの変調度m×100[%]の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、出力の検波電流iは、i=ke^2[A]で表すことができるものとする。また、kは定数、A[V]は搬送波の振幅、ω[rad/s]は搬送波の角周波数、p [rad/s]は信号波の角周波数を表すものとし、cos2x=1-2sin^2xである。

いやだね~

 

変調度については、検波電流の第2高調波成分と信号波成分を考えます。

i=ke^2=k\{A(1+m\sin pt)\sin\omega t\}^2=kA^2(1+m\sin pt)^2\sin^2\omega t

=kA^2(1+2m\sin pt+m^2\sin^2 pt)(\frac{1-\cos2\omega t}{2})

=\frac{kA^2}{2}(1+2m\sin pt+m^2\sin^2 pt)-\frac{kA^2\cos2\omega t}{2}(1+2m\sin pt+m^2\sin^2 pt)

 

ここで、ここで、\cos2\omega tは搬送波信号ですので、それを含む項を無視すると、

\frac{kA^2}{2}+\frac{2mkA^2\sin pt}{2}+\frac{m^2kA^2\sin^2 pt}{2}

=\frac{kA^2}{2}+\frac{2mkA^2\sin pt}{2}+\frac{m^2kA^2}{2}(\frac{1-\cos 2pt}{2})

=\frac{kA^2}{2}+\frac{2mkA^2\sin pt}{2}+\frac{m^2kA^2}{2}-\frac{m^2kA^2\cos 2pt}{4}

 

ここで、\cos2\omega tは搬送波信号です。

検波電流の第2高調波成分は、

\frac{m^2kA^2\cos 2pt}{4}

であり、信号波成分は

\frac{2mkA^2\sin pt}{2}

 

ひずみ率は、第2高調波の振幅/信号波の振幅で定義されますから

D=\frac{\frac{m^2kA^2}{4}}{\frac{2mkA^2}{2}}\times 100=\frac{m}{4}\times 100

ひずみ率が15%であれば、変調度はその4倍の60%です。

 

答えは、2です!(イエーイ)

実は、D=\frac{m}{4}\times 100を暗記していれば、一発なのですが。

近年の傾向を見ると、導出できるようになったほうが吉です。