Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和1年7月 一陸技「無線工学B」A-8

A-8 図に示すように、特性インピーダンスがZi[Ω]の平行二線式給電線と負荷抵抗R[Ω]との間に特性インピーダンスがZ0[Ω]で、長さがl[m]の給電線を挿入して整合させた場合のZ0とlの組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。
ただし、端子abから負荷側を見たインピーダンスZab[Ω]は、波長をλ[m]とすると次式で与えられる。また、各線路は無損失線路とし、R、Zi、Z0の値は、それぞれ異なり、nは0又は正の整数とする。

なんだ、この数式...

 

Z_{ab}Rは整合させなければならないので、Z_{ab}を実数にする必要があります。

この際、cos(2\pi l/\lambda)=0sin(2\pi l/\lambda)=0にすればZ_{ab}になります。

しかし、sin(2\pi l/\lambda)=0ではcos(2\pi l/\lambda)=1になり、Z_{ab}=Rとなるため、それぞれ値が異なるということに反してしまいます。

なので、今回はcos(2\pi l/\lambda)=0の場合を考えます。

cos(2\pi l/\lambda)=0の場合、

Z_{ab}=Z_0\frac{jZ_0}{jR}

Z_0=\sqrt{RZ_{ab}}

ここで、整合していればZ_{ab}=Z_iですから、

Z_0=\sqrt{RZ_{i}}

です。

 

sin(2\pi l/\lambda)=0になるのは、2\pi l/\lambda=\pi/2のときです。

すなわち、l=\lambda/4のときです。

ここから、2\pi l/\lambda\pi増えるごとに、sin(2\pi l/\lambda)=0になります。

なので、

l=\lambda/4+n\lambda/2

になります。

 

答えは1です!(イエーイ)