Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和3年1月1回目 一陸技「無線工学の基礎」A-3

A-3 図1に示す平均磁路長lが50[mm]の状鉄心の中に生ずる磁束と、図2に示すようにAに1[mm]の空際/を設けた環状鉄心Bの中に生ずる磁束が共にφ[Wb]で等しいとき、図2のコイルに流す電流を表す近似式として、正しいものを下の香号から選べ。ただし、Aに巻くコイルに流れる電流をIA]A]とし、コイルの巻数Nは図1及び図2でしく、鉄心の比透磁率μrを1,500とする。また、磁気飽和及び漏れ磁束はないものとする。

計算...

 

類似問題と周辺の詳しい解説はこちらです...

penguin-appliedphysics.hatenablog.com

 

まず、類似問題の解説と同様に、図1の磁気抵抗R_Aを考えましょう。磁気抵抗は長ければ大きく、太ければ小さくなりますから、

R_A=\frac{l}{\mu S}

です。

次に、図2の場合はコイルと隙間の空気が直列と見なせますから

R_B\simeq\frac{l}{\mu S}+\frac{l_g}{\mu_0 S}

このとき、ll_gより非常に大きいと割り切っています。

そのため、磁束はオームの法則のようなもので、以下のようにそれぞれなります。

\phi_A=\frac{NI_A}{R_A}=\frac{NI_A}{\frac{l}{\mu S}}

\phi_B=\frac{NI_B}{R_B}=\frac{NI_B}{\frac{l}{\mu S}+\frac{l_g}{\mu_0 S}}

ここで、問題より\phi_A=\phi_Bですから、

\frac{NI_A}{\frac{l}{\mu S}}=\frac{NI_B}{\frac{l}{\mu S}+\frac{l_g}{\mu_0 S}}

I_B=I_A\frac{\frac{l}{\mu S}+\frac{l_g}{\mu_0 S}}{\frac{l}{\mu S}}=I_A(1+\frac{l_g\mu}{l\mu_0})

ここで、\mu=\mu_r\mu_0より

I_B=I_A(1+\frac{l_g\mu_r}{l})=I_A(1+\frac{1\times1500}{50})=31I_A

 

答えは1です!(イエーイ)