A-3 図に示すような透磁率がμ[H/m]の鉄心で作られた磁気回路の機路abの破束φ[Wb]を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、磁路の断面積はどこもS[m^2]であり、図に示す各磁路の長さab、cd、ef、ac、ae、bd、bfはl[m]で等しいものとし、磁気回路に漏れ磁束はないものとする。また、コイルCの巻数をN、Cに流す直流電流をI[A]とする。
そもそもで、磁気回路とは…
環状鉄心に被覆された導体を巻き付け、導体に電流を流すと磁束(磁界)が発生しする。このような磁束の通り道を磁気回路(磁路)という。
とのこと。
当方は、どちらかというと高周波よりの電磁波屋さん(そんな領域あるのか…)なのでイマイチ磁気回路というものに馴染みがありません…
そこで、磁気回路のメイン人物たちをおさらいします!
まずは、起磁力!
起磁力は、磁束をどれだけ発生させるかの値を示します。
コイルの巻き数と電流に比例します。コイルの巻き数が単位を持たないので、起磁力の単位はになります。
次に、磁気抵抗になりますが、名前の通り磁束φ[Wb]の通りにくさを表します。
電気抵抗と同様に、長く細ければ抵抗は大きくなります。単位はです。
さて、磁気回路にもオームの法則がありまして、
です。磁気抵抗は電気抵抗と同様に抵抗の役割を持つと言いましたが、起磁力は起電力、磁束は電流に該当します!(覚えやすい!)
↑詳しくはこちら
さて、前置きが長くなりましたが…
今回の問題は磁束を求める問題。起磁力となる巻き数と電流は問題中にあります。従って、磁気回路のオームの法則を考えると、磁束を求めたければ磁気抵抗を求めればいい訳です。
ただ、今回は図のように並列回路です。(1周のうちに、太さなどが変われば直列となります)
その理由は、先ほどのURLを参照ください。
どのような並列回路かと申しますと、
ab間(長さ)にコの形のacdb間とaefb間(それぞれ長さ)が並列になっているような回路です。
電気的な回路で考えると…
(手書きで失礼します…)
左の図ようなイメージです。あとはこれを右のように書き換えるとイメージが付きやすいかなと思います。
あとは合成抵抗と同じ考えですから、
並列部分と直列部分の足し算です。
合成磁気抵抗は
になります。(左の分数項が並列の合成磁気抵抗で、そのあと直列の合成磁気抵抗の足し算してます)
ここで
でしたから、
あとは、磁気回路のオームの法則に当てはまるだけですね!
先ほどの磁気回路のオームの法則を少し変形して、
答えは、2になります!(イェーイ)