Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和2年11月2回目 一陸技「無線工学の基礎」B-5

B-5 次の記述は、ひずみ波交流電流i=Imsinωt+1/3 Imsin3ωt[A]を熱電対形電流計A1と整流形電流計A2を用いて測定したときの指示値についで述べたものである。⬜︎内に入れるぺき字句を下の番号から選べ。ただし、は全波整流形で、目盛は正弦波交流の実効値を指示するように校正されているものとする。なお、同じ記号の内には同じ字句が入るものとする。

f:id:Penguin-AppliedPhysics:20231117092646j:image
シンプルに考えれば…

 

高調波とは、ある周波数成分に対して、その整数倍の高次の周波数成分のことを指します。なので周波数を考えましょう。

基本波I_m\sin\omega tに高調波\frac{1}{3}I_m\sin3\omega tが加わってます。

角周波数\omegaが3倍ですから、周波数も3倍です。

1が答えになります。

 

実効値は最大値の1/\sqrt2です。高調波の場合、最大値は1/3I_mですから、実効値は

\frac{1}{3\sqrt2}I_m}

になります。

 

大体の計器の指示は実効値です。

 

交流は単純な足し算ができません。

詳しくはこちら…

https://hegtel.com/koryu-tashizan-dekinai.html

なので、ベクトルのように計算する必要があります。

I_e=\sqrt{(\frac{I_m}{\sqrt2})^2+(\frac{I_m}{3\sqrt2})^2}=\frac{\sqrt5}{3}I_m

毎度お決まりですが、最大値と実効値、平均値の関係は

I_m=\frac{\pi}{2}I_a=\sqrt2I_e

より

実効値(指示値)は平均値の\frac{\pi}{2\sqrt2}倍になります。