Penguin-AppliedPhysicsのブログ

応用物理に関することを色々と。

令和1年7月 一陸技「無線工学B」A-15

A-15 図に示すように、周波数100[MHz]、送信アンテナの半波長ダイポールアンテナに対する相対利得10[dB]、水平偏波で放射電力1[kW]、送信アンテナの高さ100[m]、受信アンテナの高さ10[m]、送受信点間の距離90[km]で、送信点から60[km]離れた地点に高さ300[m]のナイフエッジがあるときの受信点における電界強度の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、回折係数は0.1とし、アンテナの損失はないものとする。また、波長をλ[m]とすれば、AC間とCB間の通路利得係数A1及びA2は次式で表されるものとする。

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またも計算か!!

 

山岳回折について、詳しくは下記参照です。

https://rikutoku-kobeya.com/dennpadennpann/fureneruzoonn/

 

山岳回折による電界強度Eは自由空間の電界強度E_0に対して、以下のような関係があります。

E=E_0\times |A_1|\times S\times |A_2|

ここで、今回分かっているのは相対利得ですから、自由空間の電界強度は

E_0=\frac{7\sqrt{G_DP}}{d}

です。

※絶対利得ならE_0=\frac{\sqrt{30G_IP}}{d}

今回、G_Dは10dBですので、リニアにしても10です。

また1GHzで0.3mですから100MHzは3mです。

あとは、当てはめていくだけになります。

E=E_0\times |A_1|\times S\times |A_2|
=\frac{7\sqrt{G_DP}}{d}\times |2\sin\frac{2\pi h_1h_0}{\lambda d_1}|\times S\times|2\sin\frac{2\pi h_2h_0}{\lambda d_2}|

=\frac{7\sqrt{10\times 10^3}}{90\times 10^3}\times |2\sin\frac{2\pi \times 100\times 300}{3\times 60\times 10^3}|\times 0.1\times|2\sin\frac{2\pi \times 10\times 300}{3\times 30\times 10^3}|

=\frac{7}{9}\times 10^{-2}\times|2\sin\frac{\pi}{3}|\times 10^{-1}\times |2\sin(\frac{2\pi}{3}\times 10^{-1})

ここで、\theta\le 0.5なら

\sin\theta\simeq\theta

より

E\simeq\frac{7}{9}\times 2\sin\frac{\pi}{3}\times\frac{2\pi}{3}\times 10^{-4}

\simeq\frac{28\times1.73\times3.14}{27}\times10^{-4}

5.63\times 10^{-4} [V/m]

 

答えは4です!(イェーイ)